吉田こどもクリニック

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   ~知っておきたい子供の病気~

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

 おたふくかぜはおたふくかぜウイルスによる感染症です。潜伏期間は2~3週間ですが、症状の出ない不顕性感染もあります。
 症状は耳下腺(耳の周囲下半分)と顎下腺(あごの下にある)の腫れと痛みに加えて、38℃前後の発熱が数日持続します。症状は耳下腺の片方のみの腫脹のみの軽い場合から、ひどい場合はまさしく「おたふく」といわれるように、耳の下からあごにかけてパンパンに腫れて、高熱が1週間くらい持続する場合もあります。いずれにしても下記に述べる合併症が起こらなければ、通常1週間くらいで自然に治癒し通常2回はかかりません。解熱して耳下腺、顎下腺の腫れが引き、痛みがなくなれば登園、登校可能です。診断は周囲の流行の状況と両側の耳下腺腫脹があればほぼ確実ですが、片方のみの時は反復性耳下腺炎(耳下腺炎を繰り返す)や細菌性の耳下腺炎も考えられ、診断に血液検査(抗体検査)が必要な場合もあります。
 合併症:
 1)おたふくかぜ髄膜炎:発熱、頭痛、嘔吐が主な症状です。ひどい場合には入院が必要となります。自然治癒しますが、まれに脳炎を併発すると予後不良の場合もあります。
 2)膵炎(すいえん):膵臓(すいぞう)にウイルスが入るとひどい腹痛が起こり入院が必要となります。
 3)難聴:片側の耳が聞こえなくなることがあります。おたふくかぜが治ってから2週間くらいまで起こることがありますので、耳の近くで指をこすって聞こえるか否かの検査を毎日行なってください。
 4)睾丸炎、卵巣炎:特に成人の場合にみられることがあります。
 5)心筋炎:重症のケースは非常にまれですが、軽度の報告例はあります。
 治療:上記の合併症が見られなければ、痛みや発熱に対して鎮痛解熱剤(アセトアミノフェン)を使用します。痛みがひどく食べられない場合は、朝・夕食の1時間前に鎮痛解熱剤を使用するとよいでしょう。
 予防:おたふくかぜは合併症がなければ自然治癒するウイルス感染症ですが、上記のような重篤な合併症も起こりえますので、かかってない方は是非予防接種を受けましょう。
 反復性耳下腺炎とは?:片側あるいは両側の耳下腺の腫脹を年に数回繰り返し自然に軽快します。原因の多くは耳下腺導管末端の拡張といわれています。通常大きくなると自然に治ります。

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