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   ~知っておきたい子供の病気~

インフルエンザ

 インフルエンザはインフルエンザウイルス(A型、B型)による感染症で、典型的な例では4~5日続く高熱、咳、鼻水、倦怠感、頭痛、咽頭痛、関節痛、筋肉痛が主な症状です。新型(豚)インフルエンザはA型で、基本的には今までの季節性インフルエンザと同様の症状です。
吐き気、嘔吐、下痢などの消化器の症状を伴うこともあります。また、目の痛みを訴えることもあります。発熱は一度平熱に解熱してから1~2日後に38℃位の発熱が2日程度出ることもあります(2峰性発熱といいます)。すなわち、通常の風邪よりも症状が重いのが特徴です。但し、インフルエンザにかかっても過去の罹患やワクチン等による個人の免疫の状態により、風邪程度の症状で終わることや、不顕性感染すなわち症状が出ないこともあります。インフルエンザは他のウイルス感染と同様に細菌感染に効く抗生物質は無効で、下記の合併症を起こさなければ、一週間程度で自然に治癒します。
最近出現した新型インフルエンザは今のところ、今までの季節性インフルエンザと強さは同程度と考えられていますが、ほとんどの人が免疫を持っていないため感染力は強いです。
 インフルエンザの診断は基本的には症状、臨床経過、診察により診断しますが、最近はインフルエンザ迅速診断キットを用いることもあります。これは鼻水等を用いてインフルエンザウイルスが存在するか否かが10~15分程度で判定できる検査です。発熱後24時間位経過してウイルスの量がある程度増えないと診断できません。また、陽性ならまずインフルエンザと診断で出来ますが、陰性でも100%インフルエンザを否定できません。

 インフルエンザの治療は、症状を軽くする対症療法と抗インフルエンザウイルス薬を使用する治療があります。
  • 対症療法:
    鎮痛解熱剤、咳止め、痰の切れやすくする薬、鼻水止め等を使用します。鎮痛解熱剤はアセトアミノフェン(アンヒバ座薬、アルピニー座薬、カロナール顆粒・錠)を使用します。特に小児ではアスピリンやポンタール、ボルタレンという薬はインフルエンザ脳症と関係が指摘されており、使用しないで下さい。
  • 抗インフルエンザウイルス薬(タミフル、リレンザ):
    この薬はインフルエンザウイルスを殺す作用はなく、呼吸器の細胞内でのウイルスの増殖を抑える働きをして、症状を軽くし、発熱の期間が短くなります。この薬は発症(発熱)して2日以内すなわち、ウイルスが最も増殖する時期に使用を開始しないと効果がありません。この薬をのまなければインフルエンザが治らないわけではなく、のめば軽くすむと考えて下さい。タミフル、リレンザ(吸入薬)はA型、B型両者に有効です。 副作用は時に、消化器症状(吐き気、嘔吐、下痢など)やアレルギー(薬疹等)、まれに精神症状(もうろう状態、興奮)などが報告されていますので、副作用が考えられる時はすぐに服用を中止して下さい。最近、タミフルやリレンザ服用後に異常行動(家から飛び出して落下や交通事故)により死亡した症例があり、マスコミで報道もされています。しかし薬を服用していなくても異常行動は報告されており、これらの異常行動が、タミフルの副作用か、インフルエンザによる精神異常かは分かりませんが、薬の服用にかかわらず、高熱のある間はよく観察して、患児を1人にしないで下さい。
    インフルエンザの合併症:気管支炎・肺炎、中耳炎の他に、心臓の筋肉がやられる心筋炎と、小児では特に脳がおかされる脳症が重要です。
  • 気管支炎、肺炎:
    咳がひどく発熱が持続します。また、喘息性気管支炎が起こることもありますが、この時は咳やぜーぜーがあり、発熱はないこともあります。
  • 中耳炎:
    耳痛がありますが、乳幼児では発熱の持続や、不機嫌のみのこともあります。
  • 心筋炎:
    大人も子供も起こり得ます。倦怠感が続く、脈がおかしい、胸が苦しい等の症状があることもありますが、小児ではぐったりして寝てばかりいることもあります。重篤な合併症ですので様子がおかしいときはすぐに受診してください。
  • 脳症:
    痙攣、意識障害(変なことを言う、呼んでも反応しない、寝てばかりいる)が主な症状ですが、時には気が付いた時には呼吸が止まっていたと言うタイプ(呼吸中枢がやられるため)も報告されています。
以上の症状に注意して、様子がおかしい時には早めに受診して下さい

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