吉田こどもクリニック

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   ~知っておきたい子供の病気~

みずぼうそう(水痘症)

 水ぼうそうはヒトヘルペスウイルスに属する水痘ウイルスによる、発熱とほぼ同時に水疱を伴う発疹の現れるウイルス感染症です。幼児や学童期前半に多く、冬から春にかけて流行する傾向はありますが1年を通じて発生します。
不顕性感染(感染しても発症しない)は少なく、はしか(麻疹)同様の強い感染力を有しています。
発疹は初めは赤いぶつぶつから始まり、その上に水ぶくれ(水疱)が出てきます。発疹が出現する前後に38℃くらいの発熱が2日間程度出ることがあります。水疱は少し黄色みを帯びた膿胞となった後に黒いかさぶた(痂皮、かひ)となり、数日後にかさぶたが取れたあと長期間に渡り痕が残ります。全身に各段階のものが存在するのが特徴です。発疹はかゆみを伴います。また、発疹の数は重症度と相関します。成人がかかると重症となることが多く、入院するケースもあるほどです。
 潜伏期はほぼ2週間で、すべてがかさぶたになると感染性はなくなります。基本的には終生免疫を獲得し2度とかかりませんが、ウイルスが神経根に潜み、帯状疱疹を発症することがあります。
 治療:ヘルペスウイルスに効果のある抗ウイルス剤を使用します。水痘症は抗ウイルス剤を使用しなくても自然治癒するウイルス感染症ですが、当院ではワクチンを打っている場合や既に発症から3日以上経過した場合を除き、重症化の予防のために抗ウイルス剤を使用しています。また、かゆみ止めの飲み薬と痕が残りにくくする軟膏を使用します。
 合併症:水疱を掻き壊したりするとそこに細菌の感染を起こすことがあります。まれですが、肺炎、脳炎、血小板減少性紫斑病、色々な神経炎(ギラン・バレー症候群など)が報告されていますので、水疱が治ってもしばらくは注意して下さい。
 予防:水痘ウイルスは非常に感染力の強いウイルスです。はしかに比べて、重症になる人は少ないのですが、約1割くらいの人に多くの発疹や高熱がでる場合があり、合併症を引き起こすこともあるうえ、かさぶたの痕がきたなく残ることがあります。それゆえ予防接種をお勧めします。集団の中での流行期には予防接種を済ませていても、1~2割ほどの人はかかることがありますが、症状はごく軽くすみますし、合併症や成人してからの帯状疱疹の発症の危険性も減ります。

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